ISO9001品質マネジメントシステムは日本国内でJAB登録をしている企業数が40,000組織を超えるほどにまでなってきている。但し、ここ近年登録数は経済状況の悪化という状況もあり減少傾向にある。
しかし、品質マネジメントシステムが目的としている、製品やサービスの提供といった事業の基本となる部分の信頼性を担保するシステムであることを前提とすれば、このような厳しい時代だらこそ、しっかりとした品質管理体制を確立、維持し、顧客の信頼を増していくチャンスであると考えるのは私一人であろうか。
そのようになっていないのは、経営者にとって国際的なマネジメントシステムを導入していながら、それを経営に役立てきれていないところに最大の問題があるのではと考えられないだろうか。
これを機会に、経営に活用するためのマネジメントシステム化へのチャレンジをしてみては如何ですか。まずは、自社のシステムを見直す上での検証の切り口として以下の項目をチェックしてみてください。
1. 会社が目指すビジョンを実現するための品質方針が明確になっているか。
2. 短期の経営戦略と品質システムが対象とする範囲は一致しているか。
3. 品質システムは少なくとも3年に一度は大幅に改訂し、経営の変化に対応できているか。
4. 従業員の力量と、人事考課、教育システムはリンクしており従業員の意欲向上や、レベルの向上に結びつく仕組みとなっているか。
5. 現場のプロセスは普段に改善する仕組みが品質マネジメントシステムの中に組み込まれているか。
6. マネジメントレビューは形式的なものでなく、適切な間隔で実施され、そこで報告され、決定する事項は現場の運営に生かされているか。
このような経済環境だからこそ、審査機関向けのISOシステムではなく、自社の経営のためのISOに大きく舵を切るチャンスではないでしょうか。