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環境 Archive

環境技術百家争鳴 2011.5.20

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2011年5月20日 11:10
  • 環境 | 経営

東関東大地震を発端として福島原子力発電の停止、その後の浜岡原子力発電の予防的停止に発展することによって、関東のみならず中部地域まで電力不足が叫ばれる中、様々な電力に関係する技術が注目されている。
国内では環境に優れたエネルギー技術が生まれてきていたが、原子力発電のように一基で大量の電力を生み出せないため活用が限られていた。
高性能な太陽光発電、太陽熱発電、電気を貯めて必要な時間帯に使用できる高性能蓄電池、小型風力発電、洋上風力発電、小型水力発電、地熱発電等様々な自然エネルギー発電が花開こうとしている。
震災前までの電力供給体制は大規模発電によって電力をくまなく、必要な時に必要な分だけ水道のように使用できるという点からは優れたシステムであり電力安定が求められることから、自然エネルギーによる発電は積極的には普及しなかった。
原子力発電所が少なくとも一か所は使用できなくなったことにより、電力不足が生まれた現在の環境は、天が与えてくれた千載一遇のチャンスであろう。
これらの各種エネルギーを大規模に採用するには、発電と送電の分離や、安定した電力供給といった点での技術革新が必要となることは事実であるが、ここ一二年の復興の時機を逃したら、次のチャンスはまた一世紀以上待たなければならなくなってくる。
一時的な電力不足を補うためには火力発電に頼らざる得ないものの、CO2の排出はむしろ増え続けるので何時までも緊急避難的に使用することは地球環境の保全の点からも許されるものではない。長期間にわたって化石燃料による発電が続けば、国際的にも今回の汚染水の海水放出に伴う非難と同種の非難を受けることになりかねないであろう。
政治家が、この国難にあって新たな技術を花開かせるために英断をもって方針を決めることを願うのみである。

2010.1.4 新年明けましておめでとうございます

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2010年1月 4日 14:31
  • 環境 | 経営

明けましておめでとうこざいます。
昨年は年末からブログの更新ができずにすいませんでした。
一度、間を開けてしまうと中々再開のきっかけが付かず、ずるずると間隔があいてしまいました。
年が改まり、気持ちも引き締めたところで再開していきたい思います。
最近は、ブログから"ツイッタ"とやらが流行らしく、今朝の新聞にも鳩山首相のツイッタの記事が掲載されていました。日本語では"つぶやき"という意味らしく、140文字以内でタイムリーに感じたことを発信できるところに新鮮味があるとのこと。次々に新しいIT技術が生まれてきて、それらを使っていくことは大変なことだと思うこの頃です。
久々に国際規格で明るい話題と云えば、ハイブリッド車の国際規格化が国連で進んでおり、トヨタ、ホンダのハイブリッドの安全規格が国際規格として承認され、ハイブリッド車の国際規格として標準として採用される方向で進んでいるとの報道が昨年末ありました。
日本の閉塞感を打破するにもガラパゴス状態から国際市場に通用する国際規格化へのリードは好ましいことです。


2009.10.25 東京モータショーと自動車変革の波

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年10月25日 13:08
  • 一般 | 環境

TS3J0112.jpg  今年も東京モータショーが開催されたが、不況やマーケットの変化もあり海外の車体メーカーの出展は激減しての開催となった。
 アメリカや、日本国内での販売台数が大幅に落ち込む環境下で、中国が初めて1000万台を突破して、世界一の自動車生産国となった点は特質すべきである。そのようなことから上海モータショーは国内、海外の企業も含めて大にぎわいとなったようである。
 しかし、悲観するばかりではない。
 今年の東京モータショーは、環境対応一色に染まったといって良いのではないだろうか。
 日本の車体メーカは、いずれも環境対応に向けた技術を売りにしており、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車、燃料電池車、既存のガソリンエンジンでの燃費改善などを主眼とした車体を一斉に発表した。
 地球温暖化が叫ばれる中で、再生エネルギー使用による自動車は、今後の社会インフラのキーになるともいわれ始まっており、産業、経済、社会の一体的な構築への重要なKeyポイントになるものと思われる。
 アメリカが国をあげて次世代のスマートグリッドで技術覇権を握ろうとしている中にあって、日本においても新しい民主政権は国内産業の新たな育成と戦略ビジョンを持って技術覇権を確保することを期待したい。

2009.10.4 温暖化ガス削減と環境対応車開発

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年10月 4日 20:02
  • 環境 | 経営

昨日トヨタが表明したところによると、今後数年でハイブリッドから、EV車、燃料電池車等環境対応車の開発と量産に全力を挙げるとの方針発表があった。

鳩山首相の温暖化ガス25%削減を受けて、大手の企業が本格的に温暖化対策戦略を表明したことは注目に値する。まだまだ、産業界では温暖化ガス削減25%に対して後ろ向き発言が続いているなかで、日本を代表するトヨタの発言が、他の組織に良い効果を生むことを期待したい。

以前のブログでも記載したが、現在の主要な商品で発明後今日まで一度も基本的な構造が革新されなかったものは車のみである。そのような意味からも車が生まれて100年という時間軸の中で、内燃機エンジンから化石燃料を使用しない革新的な車の構造に大きく変化することは車産業のみならず、電機産業、社会的インフラ産業など幅広い産業構造の変革がなされるものと考えられる。

日本では、環境対応のための基本的技術は相当なレベルに達しており、環境技術面で世界の先端を走ることが、金融危機や、物づくり大国として中国との競争力低下など現在の閉塞状態に陥っている日本経済の再浮上、産業面での国際競争力向上のKeyになるものと確信している。

まずはトヨタに、世界一の環境車メーカとしての地位を確立するよう頑張って欲しいものである。

2009.9.21 温暖化ガス排出削減と国際競争力 N02

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年9月21日 20:20
  • 環境 | 経営

TS3J0093.jpg  鳩山首相が初外交として、今日からアメリカに旅立った。
欧米首脳との会合、国連での演説、温暖ガス削減会議等訪米中は行事が目白押しである。
 その中でも、世界で注目されているのは今般民主党が掲げた温暖ガス1990年比で25%削減政策である。既に1990年比では8%増となっており、増加分を考慮すると1990年比で33%削減という、途方もないチャレンジである。
 欧州全域では20%から30%とほぼ日本と同じような削減幅を目標にあげているが、東欧を始め殆ど温暖化対策を採ってきていない国々を含めての話であり、日本の場合には既に高度経済以降大幅な省エネや、排出ガス削減を実施してきており、現状から後約10年で33%削減を達成するとなると、国を挙げての総力戦となるのではなかろうか。
 一方で、前回のブログでも書いたように省エネ技術や、化石燃料からの転換技術、輸送手段としての鉄道技術など、日本が世界をリードできる民間技術は豊富にあるものの、残念ながら国際規格化の戦略に欠けているため、世界標準に乗り遅れている。
 つい、最近でもある国の高速鉄道の国際入札に参加した国内の車両メーカがISOの鉄道規格に準拠していないことから、入札にあたって、応札資料を作成するにあたり、国際規格が求める基準に合致させるために、膨大な追加実験と資料作りに翻弄されたと云われていた。国内基準と国際基準のダブルスタンダード化の弊害であり、今後製品、商品のグローバルマーケットを狙う企業においては、国際基準化が不可避であろう。
 日本では環境分野で多くの先端技術を有しており、これらを幅広く世界に普及させるためにも、新たに政権与党となった民主党には、産学官一体となった国際規格化への取り組みを強く望みたいものである。

2009.09.13 温暖ガス排出目標大幅削減の意味するもの

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年9月13日 19:03
  • 環境


民主党が衆議院選挙に大勝し、旧来自民党が掲げてきた政策に関して大幅な見直しが始まった。この中でも、特にこれからの日本と世界に影響する政策として温暖化ガス排出削減目標がある。
自民党政権では2005年比で15%削減をコミットしていた。しかし、1990年比では8%程度の削減目標である。日本国内では1990年から削減どころか現在までに7%増加してしまった。国内の産業界から強い働きもあり、麻生政権としてはアメリカを巻き込む形で2005年対比といった基準年度を変えて15%削減の目標発表となった経緯がある。
 確かに、これから10年間で1990年(30年前)比で25%削減は、経済活動や、市民生活にも一定の影響があることは想定できるが、最近の異常気候と自然差異が等を考えると、致し方ないものではないだろうか。
 しかし、日本の場合は、政治的な打ち出し方が欧米先進国と比べて極めて稚拙な点がある。単に削減目標を上げるだけではなく、明確なビジョンを合わせて公表すべきであった。アメリカのオバマ大統領が掲げた「グリーンニューディール」政策のように大きな目標を掲げることにより、経済面の制約と併せてビジネスチャンスがある。温暖化ガスの削減と経済活動とのバランスをとるには、環境技術面のさらなる転換と、社会インフラの改造等が必須であることから、そこに大きなビジネスが存在している。
日本は、環境技術、省資源化技術、原子力技術、小型化技術、次世代エネルギー技術等、
これからの温暖化削減に向けて適用される技術があちこちにあり、これらを上手く政府はリードして、国内産業を活性化させつつ、温暖化ガスの削減を実行できるようチャンスを活かすべきと思われる。
 イラク戦争以降の日本の国際貢献が、政権交代によって大幅に変化しようとしている中で、違った分野での国際貢献が問われる状況となっており、環境技術を持って人類の未来と平和に貢献していくとの強い意志を明確に発表すべきである。

2008.08.25 高速道路の無料化について思うこと

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年8月21日 21:31
  • 一般 | 環境

TS3J0089.jpgのサムネール画像 民主党が、政権をとったら高速道路を無料化するとのことをマニフェストで公約しているが、私としては下記の点に大いなる懸念を持っている。
 第一に、現在の高速道路建設費用約30兆円の処理をどうするのか。現在は高速道路の利用者が支払う通行料で建設債務も賄っている。それが高速道路の無料化により結果としてまた30兆円もの負債が高速道路を使用していない者も含めて、全国民に被さることになる。今でさえ先進国で最悪といわれる巨額な国債を発行しており更に上乗せとなる。
 第二に、全国の高速道路の維持・補修についても新たな国民負担増となる。今は高速道路の維持は各高速道路会社が収入から賄っているが、無料化することによって国、或いは地方自治体に移ることから、結果として道路の維持費用も多くの国道や地方道路のように、この新たな負担も税金で賄うこととなる。
 第三に、環境問題である。高速道路が今回1,000円になったことで、通行量が大幅に増加し全国で渋滞が発生している。他の交通手段よりもはるかに安くなったのだから利用は増える。温暖化対策が強く叫ばれ、中でも自動車から発生する温暖化ガスの削減は急務である。近い将来においては電気自動車や、燃料電池自動車に移ることによって、温暖化ガスの大幅な削減は可能になると思われるが、そこに行くまでには暫く時間がかかる。
温暖化ガスの削減という全世界的動きとはまるっきり逆の政策となる。
 高速道路の無料化というと耳障りは良いが、高齢化社会に入り、健康保険や、年金、子育て支援、停滞する経済の活性化など、これらに必要な財源は無駄によって捻出するといっているものの、新たに無料化する高速道路の債務、維持費をどのように捻出するのだろうか。大変心配している国民の一人です。

2009.07.26 量産型電気自動車発売される

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年7月24日 19:34
  • 環境

TS3J0080.jpg遂に、本格的な電気自動車が先週末に三菱自動車と富士重工から発売となった。既にアメリカではベンチャー企業が電気自動車の開発を終了したとのニュースは流れているが、本格的な市場参入は世界で初めてとのことであり、日本の自動車産業の技術力の高さをうかがい知ることが出来る。私の5月24日のブログにも書かせていただいたが、現在の主要な商品のうち自動車だけは1885年に内燃機型エンジンが開発されてから一度も基本構造が変わらない代表的な製品であり、革新的なブレークするが待ち望まれていたものである。価格はまだまだ高いものの量産車レベルでの発売であり、エネルギーコストは1kメートル当たり1円程度とガソリンの10%程度と安く、かつCO2を一切排出しないという点でこれからの時代に待ち望まれた商品である。
 まだまだ、リチウムイオン電池が高額なことと、製造台数が少ないこともあり販売価格はかなり高いものの、後数年で量産効果も現れ、今のガソリン車並になると思われる。
 将来、太陽光発電で電気を発電し、自宅で充電できるようになれば、自然エネルギーによる完全な循環型の移動手段となるはずで、深刻な環境問題を解決する上ので重要な社会インフラとして大きく成長することを期待したい。
 

2009.07.12 合意に至らなかった温暖ガス削減目標

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年7月11日 22:04
  • 環境

TS3J0078.jpg 今回イタリアのラクイラでG8+主な新興国が参加しての主要経済国フォーラムが開催された。今回のフォーラムのテーマはポスト京都議定書に向けての温暖ガス削減目標の設定が最大のテーマであった。
 主要経済国フォーラム前に開催された、先進国8ヶ国会議では2050年時点で先進国は1990年代または、より最近の複数年と比較して2050年までに温暖化ガスを80%以上削減する事に合意し、新興国の参加を促したが、新興国との合意を得られず、変わって出された目標は2050年時点で産業革命以前の水準から温度上昇を2度以内に押さえるという方針に変更され採択された。初めて、先進国、新興国共に合意に至った目標である。
 異常気象や、浸水、氷河減少、南極・北極の氷床の減少など、温暖化の影響は既に生じていることを鑑みると、世界一・二の温暖化ガス排出国となった中国、インドを巻き込んだ野心的な温暖化ガス削減目標に合意を得、具体的な削減に向けて世界規模での取り取りを開始しなければ、子孫の未来において取り返しのつかない事態となる懸念が大きい。
 確かに、各国それぞれの経済問題を抱え、かつ、昨年のサブプライムを原因とした世界経済の急激な悪化により未来に向けての環境対応どころではないとの、政治家のおかれた状況も分からなくはないが、映画のテーマとして取り上げられる「地球滅亡」が地球外生物の侵略というあくまでも娯楽であるものの、温暖化による地球環境の崩壊による「地球滅亡」は、これからの一世紀を考えると決して絵すらごとでは済まされない現実的課題と思っているのは私一人であろうか。一日も早く具体的な削減目標の合意に達し、英知を傾けて温暖化ガスの取り組みに入って欲しいものである。

2009.6.14  温暖化ガスの排出量の削減目標基準年度の変更は納得感のあるものか?

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年6月15日 12:36
  • 環境

 
TS3J0067.jpg京都議定書の次の枠組みづくりが始まった。ここで日本は京都議定書で取り決めた1990年比で2005年から2012年の間に6%削減するとの目標を発表していたが、2007年でプラス9%増とむしろ大幅な増加となってしまっており、2012年での削減目標は実質的に無理な状況となっている。
 一方で、京都議定書以降の枠組みづくりが始まり、そこでつい先日麻生首相は2005年対比で2020年に15%削減する目標で臨むこととされたとの発表がなされた。
 今回は、アメリカや中国、インドなど京都議定書に参加しなかった国々も巻き込んでの枠組みづくりという性格もあり、可能な限り実現可能な削減の枠組みづくりに主眼が置かれている。オバマ大統領はアメリカでも2005年比で13%削減との案を出していることから、日本も2005年対比で15%削減という方針を立てても、ネゴシエーションが可能な範囲と考えているようである。
 しかし、日本が主導した京都議定書で日本としての義務が達成できないまま、基準年度を勝手に変更し目標を変える、といった手法は客観的にみて公正なものであろうか。
 EUはあくまでも1990年対比で14%削減を目標とし、それに合わせた体制を設定している。日本には世界的にも強い競争力のある少エネ技術がいろいろとあり、まさに、厳しい削減目標を率先して立てて、その実現プロセスを通して産業を育成することが、次の世代の人々に夢と、可能性をもたらすものではないだろうか。

2009.4.12 地球に優しい環境対策を身近に経験しました

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年4月12日 19:28
  • 一般 | 環境

TS3J0043.jpg 先週の週中に横浜桜木町の"みなとみらい"にあるお客様に行く機会があり、そこで経験したことを今回は取り上げました。
 ご存じの方が多いとは思いますが、みなとみらいに行くにはJR桜木町駅を降り、みなとみらい方面出口を出ると、一寸行ったところからランドマークタワーに向かって長い動く歩道が設置されています。
 ここ暫くの間、工事中でランドマークに行くにはその長い動く歩道脇を、自らの足で歩いて行かなければなりませんでした。それが先週行ったら、"動く歩道"が動いていました。
 やっと、動く歩道の工事が終わったのだと思い、乗ろうとした矢先に一寸歩道の脇を眺めたら、何やら赤い数字が表示されていて刻々と変わっています。そこには、この歩道は太陽光発電によって発電したエネルギーを動力源としていますと書かれており、これだけ長いエスカレーターの動力を太陽光発電でまかなうことは素晴らしいと感激してしまいした。
そこで屋根を見上げると、歩道の上は半円形上の形の屋根が延々と続いており、横にそれて脇から眺めたら半円形の屋根の上にはソーラーパネルも屋根に沿って半円形に張られており、みなとみらいの立地にぴったりと納まっていました。
 地球温暖化対策が進みつつありますが、沢山の人が行き来する公共施設においても自然エネルギーを使用して、従来と同じ便利な生活ができるならばこれに越したことはありませんね。
 このような経験をして、家に帰って夕刊を読んだら、藤沢市の新市庁舎が新たに振動エネルギーで発電する設備を玄関に設置したとの記事がありました。これは市役所に来られた方が玄関を出入りする際に廊下を歩くと、人が歩くことで生じる振動を電気エネルギーに転換するようです。これはソーラー発電ほどのエネルギーはまだ発電できないようですが、市民に自然エネルギー発電を実感させたいとの思いから市として設置したと書かれていました。このように自然の力を使って発電し、それを市民が実感することで社会全体の意識の改革とCO2削減が進むことを期待したいですね。
 私にとっても、久しぶりに明るい話題でした。

2009.4.5 排出権取引と温暖化防止技術事業に関して思うこと

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年4月 5日 19:20
  • 環境 | 経営

TS3J0037.jpg  先週、内閣は地球温暖化問題懇談会案として日本おける温暖化ガス削減計画に関するプランが発表された。基本的には、1990年対比で2020年までに+4%から-25%までの幅で発表された。
日本では、産業分野、家庭分野などによる削減と、森林等によりCO 2を吸収する部分とによって削減が予定されている。
 それでも、不足する分はCDMによる環境投資と、それに見合った排出権を受け取ることによって、日本国内の温暖化ガス削減として認めてもらう制度がある。
 現状のCO2排出状況は、2008年秋からの急速な景気の落ち込みによって産業活動が停滞し、結果として一時的にCO 2排出量が低減するものの、経済状態が回復すれば産業活動によって排出される温暖化ガスはまた元に戻ることとなる。
 このような環境下にあって、今年に入り政府は相次いで、ウクライナ、チェコから排出権合計7000万トンを購入することの契約締結が完了したとの報道があった。排出権取引の価格は昨年のピークからは30%台にまで落ち込んでおり、安い価格で購入できたようである。
 これまでは、途上国で温暖化ガス排出を減らすプロジェクトに投資し、見返りに排出権を得る「クリーン開発メカニズム」(CDM)だけだったが、今回、チェコと合意したのは、具体的な環境対策と関連付けられた排出量取引の仕組みである「グリーン投資スキーム」(GIS)に基づく排出権スキームが新たに加わった形となった。
 しかしながら、東欧、ロシア、中国、アメリカと1990年以降温暖化対策を積極的に進めてこなかった国々から余剰排出権を購入することによって、国内の排出枠を補うことは、経済合理性があるとはいえ、問題の本質とはかけ離れているのではないかと思う。
 世界的な不況のまっただ中で、温暖化防止のための投資までは経営資源を割きづらいといった環境下にあるものの、中期的には経済成長と、地球環境との共生は避けて通れない道である以上、政府も財政出動を伴う景気対策を打つならば、世界に貢献できる環境技術で競争優位にたてるよう政策誘導すべきものと思われる。
 2009.3.15日のブログと重なる部分があるが、日本は世界で競争力のある環境技術は沢山あり、太陽光発電、風力発電、蓄電池、リチウム電池、原子力発電など、温暖化防止のための幅広い技術と、高度な技術を持っている国はほかに類をみない。
 政府には今後の経済回復のキーテクノロジーとして、これらの技術を飛躍的に高度化するための投資と、社会資本としての研究促進を通して、環境ビジネスを世界的に進めるためのリーダーシップを発揮してもらいたいものである。

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