今日は、我々のサービスの一つであるISOマネジメントシステムについて、私自身経営トップとして感じている点について、触れてみたいと思います。
QMS認証を取得している組織が、継続的に不良を出したり、また法令違反をしたりと、不祥事が続いていることは皆様も知っての通りです。また、QMSの認証登録数も絶対数が2008年の初頭から減り続けており、曲がり角に来ているのとの話も巷では聞こえてきます。
我々は、これらの仕組みの構築・運用を主に支援してきており、このような声を聞くと心が痛みます。今回の100年に一度の不況という環境下だから生じたものではなく、サブプライム問題が発生する以前から、この傾向は生じています。
そうすると、原因は別のところにある訳で、私としてはこのマネジメントシステムの中に改善プロセスはあるものの、ここでは個別のプロセス改善などは旧来重視されておらず、システムの改善面にのみ重きが置かれてきたことに大きな原因があるのではと感じています。
日本国内では、昔からQC活動が華やかで現場改善活動は具体的な改善効果が経営に役立ち、組織的にはQCサークル活動を通して組織風土の醸成にも役立ってきていました。
しかし、ISOの規格に基づく品質システムの中には、現場の改善行為やQC活動は必要なものではなく、いつしか忘れされてしまった感があります。
経営者の方々においても、QMSを動かすことによって、QC活動同様に経営成果が目に見えて現れてくれば、取組と維持も違った形となったのではと思う次第であります。
ISOのマネジメントシステムは世界共通の規格であるものの、経営上の使い方はもっと自由であり、QMSの中に、経営改善のプロセスや、改善活動プロセスなど、経営改善のためのプロセスを追加し、経営成果に直接結び付けることにチャレンジされることを是非お勧めしたいものです。
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