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危機と危機管理 2011.3.25

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2011年3月25日 16:08
  • 情報 | 経営

 東北関東大地震の影響により福島第1原子力発電所での原子炉の停止が健全に行われない事態が続いている。自衛隊、消防の困難かつ危険な消火活動、冷却活動の結果、緊急対応でなんとかこれ以上の悪化を防いでいる状況である。
 
 地震、その後の津波により、原子炉機器破壊、あるいは水をかぶり使用ができない状況が通電後次々と明らかになって、電力が通っものの冷却装置を動かせない状態が続いている。また、昨日は復旧作業にあたっている東京電力の協力会社の社員が、放射能を含んだ水にしたり、大きな被ばくを負う事故が発生している。
 あるいは、原子炉の冷却を緊急避難的に行うため、大量の海水の放射や、炉内圧力を下げるための炉内の気体の外部放出が行われている結果、放射線が大気あるいは海に流れ込み、水道や、海水に規制値を超える放射線が混入し、摂取制限が発表されるなど、首都圏を中心に市民の健康面でも大きな問題となりつつある。
 
 これらは、結果の話であり、原因は原子力発電装置に異常を生じた時にどのような対応をすべきか、危機管理の甘さの問題である。これらが、想定外の地震、津波ということで片付けられている気がしてならない。
 
 今回の、事故は常に問題となる初動段階での判断の失敗であると同時に、結果として、自衛隊、消防隊が前面立った活動まで踏み込まざる得ない事態となったことは、原子力のような重大事故が生じた時に、初期段階では一民間企業の問題として扱っている制度の欠陥が大問題と言わざる得ない。
 
 民間では、事業の継続を損なわないために、事業継続管理システムの導入が進んでいるが、民間の問題ととらえずに、公的機関は積極的に事業継続管理を進める必要があるものと思われる。

 一日も早い、地震被災地の方々の復興と、原子炉の安定停止を願う次第である。


 

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