最近のアメリカのビックスリーがいずれも経営不振に陥り、既にクライスラーが4月末で経営破綻しチャプター11を申請する事態となり、最大手であるGMもこの5月末において破綻か、或いは債権者の巨額債務免除により存続できるか最終章に差し掛かっている。
世界初の量産車を開発販売したフォードは今の時点では単独で生き残れると言われているが、アメリカの産業といえば自動車といわれるほどの産業がなぜ凋落したのか。戦略のミスとか、オイルの高騰による消費者の変化の読み違いとか、労使契約に伴う高コストで競争力を失ったとか、いろいろといわれているが果たしてそうであろうか。
私は、自動車は開発発売されてから、今日まで革新(ブレークスルー)がなかったことに最大の原因があったのでは思っている者の一人である。
今、多くの人たちが恩恵を受けている代表的な製品や商品について、初めて世に出た年代と、その後革新的技術により新たな製品へと変貌したものを整理してみた。
今われわれが使用しているものは産業革命当時の18世紀後半に開発され、その後半世紀程度の時を経て、新技術の導入によりあらたな物に進化している。
ところが、自動車に関してはフォードがT型を発売して以降、いまだに主流は燃料の種類こそ違いがあるものの内燃機エンジンのみといった状況下にあることに愕然とした。
改良だけでは生き残れないという傍証にならないであろうか。
一世代 二世代
明かり 白熱灯 :1879年 ⇒ 蛍光灯 1938年
発 電 火力発電 :1882年 ⇒ 原子力発電 1956年
自動車 内燃機エンジン :1885年 ⇒ ?
飛行機 プロペラ機 :1903年 ⇒ ジェット機 1947年
テレビ ブラウン管型 :1938年 ⇒ 液晶テレビ 1986年
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