国内でも、先週末に新型インフルエンザの発症が確認され、わずか三日間で100名弱となった。ゴールデンウィークから始まった国際空港での水際検疫の効果が期待されたものの、その後わずか10日足らずで渡航歴のない高校生に集団感染する事態となった。
専門家の間では、成田空港で新型インフルエンザ感染者が発見されてから、いずれ検疫をすり抜けた感染者により国内感染が始まると予測されてきており、ゴールデンウィークで大量に帰国した後2週間程度での集団感染発症というのは想定された期間でもあろう。
WHOでは早くから水際検疫から発症した場合の感染拡大防止体制と、発症患者の治療に力を入れるよう各国に要請しており、日本でもその体制はこの間で一段と進み、発熱外来の設置、早期診断体制などが充実した。
現在、集団発症している患者は生徒、学生が中心であるが、早晩一般社会人へ感染が広がることは必須と思われる。そうなると、昨年秋から始まった世界経済の悪化は最悪期を脱しつつあるとはいえ、アメリカ、ヨーロッパ、日本ともに各種の経済指標は依然として下げている中で、今回の新型インフルエンザ発症であり、国内経済の回復にも少なからず影響を与えるものと思われる。
既に、公共機関や、大手企業を中心としてBCPに基づき、パンデミックに引き上げられた場合の具体的運用の検討に入りつつあることが報道されている。今後、本格的な集団感染が始まった場合には、公的活動の自粛や、不急不要な活動の自粛、学校を始め大勢が集まる施設の閉鎖等が実施され、多くの事業活動が制約を受けることとなる。
そのような事態を想定しつつ、どのようにしたら事業へのダメージを最小に出来るのか、大手企業のみならず全ての組織が真剣に事業継続計画を考えてみる必要があると思う。
危機は、未来にあるのではなくすぐ目の前にあるという覚悟で、対処法を考えることが今求められるのではないだろうか。
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