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2009.3.1 中堅・中小企業における雇用の確保とその対応

  • Posted by: 岩田美知行
  • 2009年3月 1日 18:39
  • 経営

TS3J0010.jpgのサムネール画像のサムネール画像中堅・中小企業においては大企業のようなリストラは殆ど不可能である。
先月の15日のブログに記載したが、今回の金融危機とその後の実態経済の落ち込みは凄まじいものがあり、世界中で需要喚起に向けた財政出動が実施されつつあるものの、市場効果が出るまでに半年、また中堅・中小企業に効果が及ぶまでには、その後1年程度かかるものと見られている。
そうなると中堅・中小企業においては、この間極端に減少した売上あるいは生産量で、従業員を抱えたまま事業が継続できるかとなると、極めて難しいと云わざるを得ない。
近年過去最高の利益を上げてきた自動車や、電機メーカであっても金融危機に端を発した今回の景気後退に対して、大量のリストラを断行し、対処せざる得ないほどの深刻な市場の縮小だからである。
従業員のリストラが難しい中堅・中小企業にとってはリストラせずに生き残り策があるかというと、それがあるのである。
2008年12月に厚生労働省が「中小企業緊急雇用安定助成金」制度を創設し、従業員を休業、教育、出向させた場合には、その手当あるいは給与の5分の4を助成するという制度である。
それに加えて、休業期間中に、当該社員に対して教育訓練を行った場合には、6,000円/一日が補助される。
 しかし、この適用を受けるには労働基準法26条の定めによる休業手当を支払うことが条件であり、従業員に関しては休業当たり最大40%の賃金が減少することになるので、従業員の理解が得られるかどうかがポイントとなる。
助成期間は通算300日で、一年目200日と長く、経営改善期間としては十分な長さと思われる。但し、事業者は労働基準法26条の定めによる休業手当を支払うことが必要であり、休業手当を支払った後に補助金の申請をするという手続きとなることから一定の資金手当てが必要となる。
この助成を受けるには、一定の生産量が減少している、或いは一定の売上が減少している等の要件を満たしていることが条件となるが、現状の深刻な経済不況下にあっては受注が既に大きく落ち込んでいる場合が多く、多くの場合既に条件に該当しているものと判断して良いのでは思う。
 日々、厳しくなる経営環境下にあって、企業の体力を失う前に計画的な雇用調整をこのような制度を積極的に活用し、従業員の雇用確保と経営の維持を共に考えるべきであろう。

 参考URL: http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/pdf/koyouiji.pdf

(このブログは毎週日曜日に更新予定です)

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