- 2010年10月 8日 15:50
高校教科書
最近、高校の教科書(現在流通しているもの)をていねいに読んでいます。科学博物館ボランティアで質問されて即答できなかったようなとき、家に帰ってから該当する項目を開くのです。いつ頃からかはわかりませんが、全ページフルカラーで、けっこう楽しく読めます。田中が高校生の頃は、せいぜい化学反応で色が変化する様子をカラーで示す頁が後ろのほうにおまけとしてあった程度です。
いつまでに暗記しないといけないとか、テストに出そうだからしっかり覚えなくてはいけない、という勉強は本当に苦痛でした。そういうこととは無関係に読む教科書は、そうだったのかとか、なるほど、と思うことがけっこうあります。本を開くことがつらくありません。検定制度の弊害が歴史などでは話題になりますが、自然科学では気になりません。そして、ボリュームの割にはお値段もお得です。
今年は、化学の道に進もうと考えたきっかけとなった高校の先生が亡くなり、残念な年になってしまいましたが、50年前に戻った気分で読んでいます。現在購入済みは物理と化学ですが、もう少し揃えてみようかな、と考えています。この50年間、ノーベル賞(今年また、2名の日本人がカップリング反応で化学賞を受賞!すばらしい!)の対象になった業績だけでも膨大なものですし、毎年新たな情報が積み重なるので、今の高校生って大変だなあーと同情してしまいました。生物とか進化の分野でも、骨が一つ見つかるとそれまでの定説が覆されたり、教える側も大変だろうとお察し申し上げます。数学は立ち読みだけで買いませんでしたが、構成も中身も変わったように感じました。
コペルニクス、渋川春海というマルチタレントの話を少し前に書きました。現在は機械/電気/化学/生物/地学/数学/医学のように分化していますが、300~400年前に遡ると、そのような区分はなく、一人の天才がいろいろな分野で活躍していることがわかります。複数の教科書に登場する人物もいます。
高校生の時は部活で忙しく、勉強どころではなかったのですが、その頃の雰囲気に気軽に戻れるのはラッキーというべきでしょう。教科書を読むことをお薦めします。
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