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2010年10月 Archive

ネタ切れ状態  101029

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2010年10月29日 16:02

ネタ切れ状態

「ネタ」というのは「種」をひっくり返した言葉です。蒔かぬ種は生えぬ、のタネです。ここではブログの題材のことです。そんなに題材が転がっていないのです。ずいぶん前に、日付を規格条項に当てはめたりする、職業病のことを書きました。世の中の事象を9001規格の条文に当てはめてみることも結構あります。でも、いつも同じ内容になっては意味がないので、ネタになりかかってもボツ(没原稿)にすることがあります。

昨年の今頃は種切れ状態の真っ最中でした。今年もそろそろあぶないな、というところです。なんとか、無理矢理でもQMSに引っかけた話にしたいのにそれができない時があります。100820のコペルニシウムなどその典型ですが、読んでくださった方、申し訳ございません。

作家、小説家という人はその点すごいです。言葉が湯水のように湧いてくるのでしょう。福田恒存という方は評論家、劇作家でしたが、自分(書き手)の主張を主役以外のいろいろな登場人物に分散して語らせるのだ、と書き残しています。一人の人に語らせるだけでは余ってしまう程の熱い想いをもっていたのでしょう。サザエさんを描いた長谷川町子さんは家族の行動を題材に漫画を描くことが多かったので、ご家族の方達は題材にされないよう戦々恐々としていたとのことです。一ヶ月前に終了した「ゲゲゲの女房」でも、漫画アシスタントとしては役立たずの人を、水木しげるさんは人間観察対象として役立てようとしていました。
何を言いたいかと言いますと、同じ会社の身内の失敗談・経験談を書くという手(手段)があるのです。が、その場合どのような仕打ちを受けるかわかりませんから、田中はじっと我慢しています。昔々の人で「物言わぬは腹ふくるるわざなり」と言った人がいますが、じっと我慢します。

とりあえずというか、稚拙というか、いい加減ではありますが、マネジメントシステムとの接点がない話題でも細々とでも続けていきたいと思います。

はやぶさ/イトカワ  101020

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2010年10月20日 13:09

はやぶさ/イトカワ

多少旧聞になりますが、今年前半のトピックスは、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還と、小惑星イトカワから持ち帰った「ちり」についての期待でしょう。ちりについては、少なくとも数個捕獲できたようだ、の程度で、確定情報はまだまだのようです。
科学博物館では「空と宇宙」をテーマにした特別展が来週から始まります。はやぶさの帰還が当初の計画から3年遅れて2010年になることが確定した時から特別展の計画をスタートさせたそうです。

現在は認証登録をやめてしまいましたが、10年近く前に、都心のある美術館で9001に取り組みました。7.3項(設計・開発)に相当するものとして、展覧会企画管理規定を作ることにしました。
自分たちが保有している作品(絵画、彫刻等)だけでなく、他館や個人所蔵の作品と組み合わせることで、新しい発見や説明が可能となるのです。どのように組み合わせるとよいか、どのように配置すると理解しやすいのか、他館や個人所蔵の作品を借用可能なのか・・・他館の例ですが、ゴッホの「ひまわり」を3枚並べた展覧会は話題になりました。藤島武二も「耕して天に到る」を3枚描いています。展示室ごとのテーマを変えることで作者の幅の広さを感じてもらう、制作年代順の陳列で芸術家の軌跡をたどる・・・を考えることが展覧会という「製品」を設計することだと考えたからです。ある展覧会の企画がスタートしてから企画が実現できる(展覧会を開催する)まで、長い年月と沢山のステップを踏まなければいけないことを初めて知りました。他にも勉強になることが多数あり、ISOのコンサルタントをやっていてよかったなーと思いました。
科学博物館の「空と宇宙」特別展も3年以上企画を進めてきたのです。

今年は、日本ではじめて動力飛行に成功してから100年という節目の時です。日野熊蔵、徳川好敏という二人の陸軍大尉が12月19日に代々木練兵場(現在の代々木公園)で初飛行しました。普通、初飛行と言えばどちらか1名の名前が記録されるのですが、公開前の練習中に飛び上がってしまったので、どちらが先だったという考えをしないことにした、というエピソードが残っています。
科学博物館では、はやぶさの帰還と100年という記念すべき年を組み合わせることで、単独の展示とは違った印象を持っていただけると考えたのです。国産旅客機の量産1号機を保有しているのになぜ展示公開しないのか?と事業仕分けで指摘されたYS11は、博物館に運び込むことはできないので、現物を目にすることはできませんが、どうぞお出かけください。小惑星探査機「はやぶさ」の実物大モデルも展示されます。

蛇足ですが、田中が勤務していたタイヤ会社が、この「空と宇宙」特別展の展示に協力していることがわかったので、早速広報宣伝部に電話して、どのような協力かを確認しました。3種類のタイヤを提供したのです。①YS11機(第二次世界大戦後唯一の国産商用機)、②ボーイング787機(現時点での最新鋭商用機)、③隼(はやぶさ:旧日本陸軍の戦闘機)ですが、③のタイヤについては秘話があります。ゼロ戦(旧日本海軍の零式戦闘機・・・科博にも1機が常時展示されています)と比べると保存されている機体は世界中で2機だけなので、タイヤ単体では存在しないハズだったのですが、20年ほど前に偶然、航空機用タイヤの開発者によって発見されたのです。ご興味がおありでしたら、お問い合わせください。②のタイヤは、来週からの公開を控えて(建物の外ですが)既に展示されていました。

高校教科書  101008

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2010年10月 8日 15:50

高校教科書

最近、高校の教科書(現在流通しているもの)をていねいに読んでいます。科学博物館ボランティアで質問されて即答できなかったようなとき、家に帰ってから該当する項目を開くのです。いつ頃からかはわかりませんが、全ページフルカラーで、けっこう楽しく読めます。田中が高校生の頃は、せいぜい化学反応で色が変化する様子をカラーで示す頁が後ろのほうにおまけとしてあった程度です。
いつまでに暗記しないといけないとか、テストに出そうだからしっかり覚えなくてはいけない、という勉強は本当に苦痛でした。そういうこととは無関係に読む教科書は、そうだったのかとか、なるほど、と思うことがけっこうあります。本を開くことがつらくありません。検定制度の弊害が歴史などでは話題になりますが、自然科学では気になりません。そして、ボリュームの割にはお値段もお得です。

今年は、化学の道に進もうと考えたきっかけとなった高校の先生が亡くなり、残念な年になってしまいましたが、50年前に戻った気分で読んでいます。現在購入済みは物理と化学ですが、もう少し揃えてみようかな、と考えています。この50年間、ノーベル賞(今年また、2名の日本人がカップリング反応で化学賞を受賞!すばらしい!)の対象になった業績だけでも膨大なものですし、毎年新たな情報が積み重なるので、今の高校生って大変だなあーと同情してしまいました。生物とか進化の分野でも、骨が一つ見つかるとそれまでの定説が覆されたり、教える側も大変だろうとお察し申し上げます。数学は立ち読みだけで買いませんでしたが、構成も中身も変わったように感じました。

コペルニクス、渋川春海というマルチタレントの話を少し前に書きました。現在は機械/電気/化学/生物/地学/数学/医学のように分化していますが、300~400年前に遡ると、そのような区分はなく、一人の天才がいろいろな分野で活躍していることがわかります。複数の教科書に登場する人物もいます。

高校生の時は部活で忙しく、勉強どころではなかったのですが、その頃の雰囲気に気軽に戻れるのはラッキーというべきでしょう。教科書を読むことをお薦めします。

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