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9001の不振  090518

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2009年5月18日 10:53

9001の不振

ISOのマネジメントシステム規格は第三者認証をベースとしています。せっかく規格に適合したシステムを構築運営しているのだから、審査を受けることで適合性を第三者に証明してもらおうというもので、顧客によっては認証取得が取引継続の条件になっています。

2006年第4四半期までがピークで、9001認証登録組織数は減少し続けています(JABホームページから)。14001も頭打ちの状況です。この原因は一つではないと推定しています。
① 建設土木関係では、公共工事受注に関するゼネコンを頂点とするISO認証取得のメリットがなくなってしまった、
② 自動車部品業界は16949規格に取り組んだ結果、9001の取得データから切り離された、
③ Output Mattersとして問題になった、"認証を取得している立派な組織でありながら"マスコミをにぎわす不適切な活動をしていることで、認証のお墨付きに対する信頼性が低下した、
④ JABにつながらない、海外の認定機関に登録する組織の増加
等が主要なものでしょうか。

私どもは、日本国際規格コンサルティング⇒KPMGエムエムシー⇒レイセントコンサルティングと名前を変えてきましたが、一貫して次のような説明をしていきました。
「9001に取り組んでも実体が伴わない、すなわち、不良や顧客苦情が減らないのは、規格が悪いのではなく取り込み方が悪いせいです。」

以前書いたように、9001に取り組むだけでは不十分で、9004に取り組むのが正しい方向だという考え方が明確にされましたが、それは9001という規格がダメだということでは決してありません。9001に書いてあることだけ実施すればすべてがうまくいき、バラ色の世界が待っていると考えるのは幻想だと、飯塚先生はおっしゃりたいのでしょう(推測)。

9004に取り組みたいのでコンサルティングをしろ、というご要望があれば喜んでさせていただきます。ただし、9001に既に取り組んだ実績があることが最低限の条件です。9004規格は顧客及びその他の利害関係者を念頭においてシステムを構築します。規格序文にはその他の利害関係者の例として、組織内の人々、供給者、オーナー、社会が挙がっています。供給者の要求事項も取り入れるので、9001規格より人間的なシステムになる可能性もあります。利害関係者間の利害(要求事項)がバッティングした場合の考え方は微妙ですが、一緒に考えてみませんか?

ベストソルーションは無理としてもモアベターな解を目指しましょう。

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