企業不祥事とISO認証の停止　　0908012

企業不祥事とISO認証の停止

8月10日付の日本経済新聞によれば、（ISOの審査において）虚偽説明をした企業に対しては、認証機関が認証を取り消し、その後1年間は再認証しないことで、ISOの信頼性向上を図ることになりました。
具体策はJAB（日本適合性認定協会）と「JABに認証機関と認められた国内50機関」が決めたとのことで、今月半ばには発表するとのことです。非常に興味深く、発表が俟たれます。

この件に関してJABは8月10日以降特に説明していません（ホームページへの掲載なし）が、2009年4月30日付、2008年3月18日付のホームページに、それぞれ、「ISO認証取得企業に対する不祥事報道についてのお知らせ」「組織不祥事への認定・認証機関の対応について」として見解並びに対応方法を述べています。
すなわち、JABとしては1年以上前から見解の一端を明らかにしていたのです。2008年3月には、「組織不祥事への認定・認証機関の対応について」という報告書がJABとJACB幹事会有志の連名で出ていますので、興味のある方はお読みいただくとよいでしょう。
一方、「JABに認証機関と認められた国内50機関」とは、JACB（日本マネジメントシステム認証機関協議会）会員のことであると解釈していますが、JACBも8月10日以降公式には説明していない（ホームページへの掲載なし）のが現状です。

なにも新しい話題ではないかもしれませんが、停止期間を定めた点では前進かもしれません。個人的には疑問点が二つあります。1年という長さが適切か？再認証時の審査工数と再認証後の維持審査工数をどうするか？です。
不祥事を起こすのが企業（会社組織）ばかりのイメージで書かれているなのも気になります。