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1980年頃の思い出  090710

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2009年7月10日 13:32

1980年頃の思い出

前回に引き続き想い出話で恐縮です。090610で、GM、Chryslerに関する話を書きましたが、思い出したことがあります。1979年か1980年のことです。

その頃、田中はある自動車(足回り)部品メーカーに勤務し、FRP(繊維強化プラスチック)を素材として新製品を開発する仕事をしていました。当時その分野ではアメリカが先進的な活動(OCF:Owens Corning Fiberglass社等が主導)をしていたので、FRP工業会として調査活動を定期的に行っていました。講演を含むFRP展示会がニューオーリンズであり、その年は田中が参加しました。

既にその頃、アメ車はガソリンを無駄に消費する(がぶ飲みする...この言葉に対応するslangがあったのですが失念)ので非効率だ、という反省のもと、コンパクトカーを指向していました。GMはコルベットをモデルとして、外板をプラスチック化する(FRPを使用することで、軽量でも強度を出せる⇒ガソリン消費量を低減できる。また鉄板の加工と違って形状面での設計自由度が高い。)構想を持ち、試作品を展示していました。実際にGMのトラックではフロントのバンパーがFRP製、というものが既に走っていたのです。日本ではまだそのような動きはありませんでしたから、すごいなあ、さすがアメリカは違う、という印象で帰国したものです。
その後、社内的には自動車部品(外板)のFRP化のFeasibility Studyがひっそりとスタートしました。

最近のGM、Chryslerに関するニュースを聞くと、状況は全く変わっていないようです。「ガソリンがぶ飲み」に対する対策を怠ってきたことが鮮明です。あの時田中が感動したのは何だったのでしょう?コンパクトカーの分野は日本が得意で、USA向けの輸出が増えていることは知っていましたが、品質管理とかQMSという話以前の世界、より上位の概念でのマネジメントの話です。

経営方針そのものに不備があるように感じますが、この話を9001の項目と結びつけるなら、7.2.1 b)になるでしょうか。「顧客が明示してはいないが、指定された用途または意図された用途が既知の場合、それらの用途に応じた要求事項」とあります。「既知の用途に応じた要求事項」は、この場合「日本車に近い燃費」ということになります。

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