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不適合製品の管理  101108

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2010年11月 8日 15:00

不適合製品の管理(鉄道での事例)

田中は西武新宿線の沿線に住んでいます。各駅停車の電車しか止まらない駅です。車両の編成は10両、8両、6両と3種類あります(他に特急は7両編成)。6両編成は各駅停車にだけしかなく、しかも、1日に3本(上下線で6本)しか走っていません。
田中が乗降する駅の長さは8両分なので、6両の時は後方に止まり、一番前(進行方向で)で待っていても乗ることができません。6両の時の一番前に相当する位置に看板を立てて、「◇時◇分発は、6両編成のため、これより前方には停車しません」と警告しています。

乗客に対して、鉄道運行側はこれで十分に周知していると考えているのでしょう。しかし、1日に3本だけという特殊な状況のため、気づかずに前方まで行ってしまう人を見かけます。気分がよい時は、見ず知らずの人にですが、前方に行ってしまいそうな人に、田中は声をかけます。でも、毎回そんなことをするわけではありません。とうとう6月頃に携帯電話に夢中で、乗り遅れる人がでました。運転手は、前方に待っている人を見ているハズですが、なにもその人に報せず、出発してしまったのです。
終点で降りた時に、駅員に事情を説明し、看板を立てているだけでは不十分であることを伝えました。なんらかの改善(修正とか是正処置という言葉は出しません)が必要だろう、と伝えました。

いつも同じ時刻の電車に乗るわけではありませんが、10月下旬に、状況が変わっていました。気づかずに前方まで行ってしまった人が1名いたのですが、①構内放送で「6両編成なので前方には止まらない」とアナウンスがありました。ただ、スピーカーが離れているので、この放送は最前方の人には聞えませんでした。②運転手が警笛を鳴らし、気づかせました。これで乗り損なうことなく、無事出発しました。

9001規格の8.3項には「不適合製品の管理」があり、不適合に対してはなんらかの修正(不適合の除去)が必要だとしています。「a)~d)に相当する、一つ又はそれ以上の方法で処理せよ」という表現です。連絡/警告が不足していたために乗り遅れたことを不適合と考えると、特別採用という扱い以外には処理方法がないように感じます。このときに乗り遅れた人が駅員に抗議したかどうかは不明ですから、「該当する場合に顧客が」特別採用したかわかりません。
引き続いて是正処置を行う場合には、「不適合のもつ影響に応じた処置」を要求されているので、いろいろなレベルでの処置がありえます。①毎回構内放送する、②毎回運転手が警笛を鳴らすのもそうでしょうし、③看板以外にプラットフォーム床面に照明を埋め込んで警告文が浮き出るようにする、④駅員が立って警告する、⑤6両編成の場合にはミニ遮断機が下りて通行できなくする、という手もあります。ソフトで対応するやり方、ハードでの対策、組織ごとに自由度はあるわけです。

今回の事例とは無関係ですが、世の中には、「お茶を濁す」程度の是正処置が結構多いように感じます。

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