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2011年2月 Archive

9004規格改定  110225

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2011年2月25日 16:12

9004規格改定(組織の持続的成功のための運営管理-品質マネジメントアプローチ)

9004規格(JIS)に関しては100513で、なぜ発行が遅れているのかについての見解をくどくどと述べましたが、やっと改定となりました(ISO:2009年⇒JIS:2010年末)。

序文には、「プロセスを基礎とした品質マネジメントシステムの拡大モデル」が提示されています。両端の縦長の枠は「顧客」から「利害関係者」に拡張され、中央のPDCA概念と9001要求事項表題を示す円の外側に大きな円が追加されて、9004規格の箇条4~9が追加されました。さらに、「基盤としての品質マネジメントの原則(9000)が追加された図となっています。

9004規格をどのようにとらえるか、視点はいろいろあると思います。規格の条文を一文一文読みこんでいくことは当然必要ですが、大枠をとらえるため、今回は附属書Cで考えてみたいと思います。
附属書Cは、JIS Q 9004:2010とJIS Q 9001:2008との対比表です。9004規格にあって9001規格では要求事項となっていない項目は次のようなものです。
6.2項:財務資源
6.3.3項:人々の参画及び動機付け
6.7項:知識、情報及び技術
6.8項:天然資源
8.3.4項:自己評価
8.3.5項:ベンチマーキング
9.4項:学習
これらは、大くくりの対比であって、6.6項の「作業環境」には、作業環境として考慮すべき事項が多数記述されています。たとえば、組織の敷地内で作業する要員だけでなく、敷地を訪問する外部組織の人々も考慮すべきであること、労働安全衛生マネジメントとリンクすべきであること、などです。他にも、「9004規格にあって9001規格では要求事項となっていない項目」が満載です。

組織の持続的成功のための運営管理として推奨される規格が発行されましたから、①9001は十分にクリアーした組織、②9001を運用しているのに当初の狙い(トップマネジメントが設定したレベル)が実現できていない組織は参考にし、「良い、この考え方はウチに合っている」と納得した事項を適用して推進することをお奨めします。
附属書Aの「表A.1」には、主要な要素に対して自己評価をする成熟度レベルが記載されています。また、「表A.2~表A.7」には、「箇条4~箇条9」に対しての自己評価項目/成熟度レベルが記載されていますから、自組織の強み/弱みを評価し、弱い部分の補強をまず考えることをお奨めします。

全体を底上げすることも重要ですが、限られた資源・時間の中で組織のレベルルアップを図るには、重点指向が重要です。

アラサー、アラフォー  110214

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2011年2月14日 15:48

アラサー、アラフォー

アラサー、アラフォー、アラ還などの言葉が飛びかっています。用例としては、「アラフォーの女優○○さんは第一子である女児を出産、母子共に健康である。」とあります。団塊の世代という言葉はもう古いのでしょうか、それともマスコミの興味が違う年代層に移ってしまったのでしょうか。田中は六捨七入すると70歳になるので、アラコ(古稀の近辺)とでもいえばよいのでしょうか?たらこのようであまり語感はよくないですね。アラセブンという用語が最近の新聞に記載されていましたが。

ところで、還暦の祝い、古稀の祝いをする場合にどう違うかご存じですか?法律で定めたものではないので、あくまでも一つの考え方ですが、最近納得できる説明を聞きました。科学博物館で天文学や暦(こよみ)の研究をされている先生からです。

還暦は甲(きのえ)乙(きのと)丙(ひのえ)・・・という十干と、子(ね)丑(うし)寅(とら)・・・の十二支の組み合わせが60年ごとに繰り返され(ちなみに今年は辛卯)、自分が誕生した年と同じ組み合わせ(暦)に還って来ることを言います。従って、還暦に該当する期間は1年間あって、その年のどこでお祝いしてもおかしくない。12月生まれの人が還暦の年の1月に(早めに)お祝いしてもいいし、1月生まれの人がその年の12月に(ずっと遅れて)お祝いしてもいい、というのです。満年齢で表すと、誕生月によって59歳0ヶ月から60歳12ヶ月まであるわけです。

これに対して古稀、米寿等のお祝いはあくまでも風習に基づいています。この風習は、生まれた時にすでに1歳、正月には誕生日と無関係に全員が一つ歳をとるという考え方が主流だった時代から続いているものです。従って、多くの場合は数えで70歳(満年齢では69歳)、88歳(満年齢では87歳)になるときに行っているようですが、早めにおこなっても全く問題ない、というものです。

実は田中は、この面で失敗をしています。高校時代の恩師が昨年の9月に満88歳を迎えるので、それを記念してクラス会を開く予定でいました。ところが、6月に亡くなってしまい、お祝いをする機会は永遠になくなってしまいました。上のことをもっと早く聞いていれば、きちんと開催したのですが。誕生年月に合わせる必要性はなにもなかったのです。お悔やみで集まった仲間には平謝りしました。

不適合製品管理  110207

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2011年2月 7日 12:15

不適合製品管理をテーマに、101108で書いた事例のその後

101108で書いた、鉄道に関する事例のその後です。今朝、久しぶりで6両編成の電車に乗りました。今朝は黄色いジャンパーを着た男性が前方に進もうとする乗客に注意を促すように立っていました。それに加えて、6両編成の車両が来るが、前方には停車しない旨の明瞭な放送がありました。(このブログを初めて読まれる方は、申し訳ありませんが、101108をお読みください。)

前回ブログに取り上げてからちょうど3ヶ月が経ったことになりますが、実は少し前から気になっていたことがあります。いつ頃だったのか、メモをとっていないので昨年末なのか今年なってからなのか定かではありませんが、「6両編成の時にはこの先には停車しない」ことを報せる看板が撤去されたのです。6両編成の車両が廃止されていないことはわかっていましたから、どうしてなのかな?と気になっていたのです。6両編成の車両は極めて限定されているので、わざわざその確認のために乗車する電車を選ぶことはせず、今日たまたま状況を確認できたわけです。

西武新宿線としては、明確な是正処置をとったのです。田中が駅員に伝えたことがきっかけなのか、他にも苦情が多かったのかはわかりませんが、確実な対策をとったのです。対策としては人手をかけたものなので(該当する車両編成のときだけ、駅事務室から離れたホーム先頭にでかけて注意を促すものなので)その間は本来の業務を実施できなくなるでしょうが、6両編成を将来は廃止する計画があって、それまでの期間だから、という理由もあるのかもしれません(勝手な推測です)。

9001規格の8.5.2項では、「不適合の再発防止を確実にするための処置の必要性の評価」という表現で、複数の対策案が考えられることを前提に、その中から組織が最適と考える対策を(財務面を含めて必要となる資源、実行の容易さ、対策の確実性、実施期限等、複数の要素を検討した上で)選択することを勧めています。

顧客(乗客)の立場では、よい選択だったと判断しています。西武新宿線に敬意を表したい気分です。

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