Home > 顧客の立場  100707

顧客の立場  100707

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2010年7月 7日 13:42

顧客の立場

顧客の立場は第三者よりずっと厳しいという話を前回しましたが、田中も顧客の立場で厳しく指摘しています。

住んでいる集合住宅の管理をビル管理会社に委託していて、このビル管理会社はISO9001の認証を10年以上にわたって得ています。集合住宅は建築基準法第十二条の特殊建築物に該当するので、建物の状況(劣化していないか)を3年に一度調査/検査して報告する義務があります。
当然この調査/検査と報告業務も委託しています。昨年10月に調査をして、東京都と区に報告しているのですが、2棟あるのに1棟しか調査しないまま報告が済んでいたのです。
東京都と区に対しては、調査をした有資格者と住人の代表の両者連名で報告します。その段階で気づいてもよかったかもしれませんが、住人側には気づくチャンスはそれ1回だけですし、専門家に任せているのでまさかそんなことがあるとは想像もしていません。
管理会社では、業務委託先から上がってきた報告書を担当者がチェックし上司が目を通す段階、業務報酬を支払う段階、請求する段階(結果として、実施していない業務についても費用を委託先(供給者)に支払い、我々に請求していたのです!?!?)、東京都と区の承認を得て最終報告書を住人宛に作成する段階、それを上司が目を通す段階、と数え上げるといくつでもあるのですから「不適合」と言わざるをえません。供給者もよく受け取ったものだと不思議ですが、今回のテーマではありません。

今年になって、「調査/検査が終了し、次回は平成24年に実施すればよい」というシールが一方の建物の入口にだけ貼ってあるのに気づいて、田中が管理会社に問い合わせるまで、彼らは気づいていなかったのです。9001規格の8.3項には「(報告書の)引渡し後に不適合が検出された場合には、(管理会社は)その不適合による影響に対して適切な処置をとらなければいけない」とあります。「影響」の例としては次のようなことが考えられます。
① 調査しないことで、建物が劣化していることに気づかず損壊する、
② 調査しなかったことで法律違反を問われる可能性がある、
③ 未調査なのに費用請求してしまった金額の返還を住人から求められる、
④ 管理能力自体を疑われて、委託契約を解約されてしまう、などです。
最後の話になると、9001の範囲を超えてリスクマネジメント、BCMの世界かもしれません。

この管理会社がとった処置は、建物調査の実施(不適合の除去)と、担当者からの謝罪(不注意のため点検ミスしたことに対して)でした。田中はこの処置だけでは納得できなかったので、文書による経緯調査報告と是正処置(今後点検ミスを起こさない保証)の提示を主張しました。
顧客の考えることは厳しいと思いませんか?

この件は、現在も進行中です。彼らが主張する「不注意による点検ミス」が消防法関連の報告書で再発したのです。この管理会社から顧客満足度調査票がきたら、必ずマイナス点をつけるでしょう。上記の是正処置が適切に提示されなければ認証機関(JABのホームページで調査済み)に連絡してみようと考えています。

Comments:0

Comment Form

Trackbacks:0

TrackBack URL for this entry
http://www.rascentgroup.com/mtos/mt-tb.cgi/111
Listed below are links to weblogs that reference
顧客の立場  100707 from Consultant's Eye QMS

Home > 顧客の立場  100707

Search
Links
Feeds

Return to page top