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ノーベル賞の業績  120328

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2012年3月28日 16:59

ノーベル賞の業績

昨年10月に大阪・神戸・京都に行き、自然科学(*)系の展示をしている博物館をまわりました。
大阪・神戸では子供たちを主な対象とした科学館に行きました。社会科見学か、総合学習かは不明ですが、大勢の小学生が元気に展示を見ていました。子供向けに工夫がこらされ、田中がボランティアをしている科学博物館よりいいなと感じた展示もありました。ハンズオン(手で触れたり、なんらかの操作をすることができる)タイプの展示、やさしい解説などです。

京都では島津製作所創業記念館を訪ねました。会社は田中耕一さんのノーベル賞受賞で有名になりましたが、実験装置や測定機器で学生時代からお世話になった会社です。機器の利用者としての印象は、重厚というと聞こえはよいのですがボテボテとした古臭い機器メーカーという印象でしたが、創業以来の機器開発の歴史をみると、努力・工夫の積み重ねであることがわかりました。

田中耕一さんの受賞対象となった業績については、この記念館を訪ねるまで、恥ずかしながら理解できていませんでした。今回、館内の解説ビデオを視聴して納得しました。すばらしいものです(あたりまえでしょうが)。もうひとつ納得できたことがあります。ビデオの中で田中耕一さんが語っているのですが、ノーベル賞というと、受賞者は大学か研究専門の機関に所属していて、企業人はほとんどいない。しかし、田中さんが受賞できたのは、研究分野の異なる人員が集まっている「民間企業」だからなのだ、という説明です。
同じ分野の研究者が一番乗りを目指して競い合うことも重要だが、異分野の人たちがプロジェクト的に協力して一つの製品づくりを目指すことも重要だし、有用な知見を得ることができる、という説明でした。

素粒子の分野でノーベル賞を受賞した小柴さんのときには、測定装置としての光電子増倍管を浜松フォトニクスという会社が開発してはじめて理論を実証できました。この場合、企業は縁の下の力持ちの役割を果たしたわけですが、受賞に値する偉大な研究が1企業内で完結できるのもすばらしいことだと感じました。
小柴さんが行った研究を拡張して、国を超えて(研究者の国籍、実験施設の場所・距離の二面で)実験した結果、アインシュタイン理論が誤りか?というセンセーショナルな報告が昨年なされ、最近、実験装置上の誤りがあったという別の報告(最終報告ではなく)が出ましたが、分野の異なる知恵者が協力することで期待する結果がもたらされることが多くなってきたように感じます。一方、予想外の結果を見逃さず(実験場の誤りとして放置せずに)、とてつもなくすばらしい結果をみつけるのは個人の場合が多いようにも感じます。


(*)科学という言葉は、なぜ自然科学分野のことを表すようになったのでしょう。ボランティアとして「国立科学博物館」に通っていますが、ここで扱っているのは、「動物、植物、人類、地学、理工」の5分野です。学生時代に人文科学、社会科学という言葉を習いましたが、死語になったのでしょうか。科学的と言った場合、人文科学・社会科学で扱うことがらは対象外なのでしょうか。少し調べてみようと思います。

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