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非常事態又は特殊な状況  111221

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2011年12月21日 16:55

非常事態又は特殊な状況

110318で書きました「地震災害に伴うJABの対応」の続編です。
JABが、12月9日付けホームページで、「認定機関、適合性評価機関及び認証された組織に影響を及ぼす非常事態又は特殊な状況の管理に関するIAF参考文書」を告知しました。

認証機関(適合性評価機関)や認証された組織を拘束するものではありませんが、基本的な考え方を示したものです。この通知は、110318で書きました「マネジメントシステムの認証を受けた組織の皆様へ」という東日本大震災の災害に伴うJABの対応に置き換わるものですが、IAF(International Accreditation Forum, Inc. 国際認定フォーラム:ISO認証制度に関する国際団体)として参考基準を定めたところに意義があります。
また、振り返ってみますと、大震災発生から4日後には「マネジメント・・・・・・組織の皆様へ」という大震災の災害に伴うJABの対応方針をいち早く発行したことはすばらしい手際であったと思います。

序文はでは次のように説明しています。
各組織は、通常の事業環境においても常にさまざまな好機会(opportunities)、試練(challenges)、リスク(risks)に直面している。しかしながら、組織の統制を超えた非常事態または特殊な状況(extraordinary events or circumstances)は発生する。
具体的に想定している状況は次のようなものです。戦争、テロ、暴動、政情不安、ストライキ、地理的・政治的緊張、パンデミック(世界的規模での感染症同時流行)、洪水、地震、悪意のあるコンピューターハッキング、犯罪、その他の天災又は人災です。
東日本大震災をきっかけとしてIAF内での議論が始まったのかは不明ですが、東日本大震災だけでなく、地理的・政治的緊張の例としては中国漁船と韓国取締船の関係があり、洪水はタイの事例でわかるように、「組織の統制を超えた非常事態/特殊な状況」は身近なものだと言えます。

この文書(IAF Informative Document for Management of Extraordinary Events or Circumstances Affecting ABs, CABs and Certified Organizations)が発行されたことで、認証された組織が実施しなければいけない事項が増えるわけではありませんが、「認証された組織に影響を及ぼす非常事態または特殊な状況」の概念は、リスク管理/事業継続の概念につながりがあり、注目に値すると思います。
・いつ平常どおりに機能できるようになるか?
・代替の製造及び/または流通サイトを必要とするか?
・災害復旧計画、緊急時対応計画をもっていた場合、その計画通り実施できたか、有効であったか?
・マネジメントシステムの運用はどの程度影響を受けたか? 等々
の観点で、適合性評価機関(認証機関)は認証した組織を評価し審査日程に反映すべきだ、としています。

実際に大きな災害、特殊な状況にさらされた時にどこまで実行可能かは不明ですが、同じ観点でマネジメントシステムを自己評価することは意義があると考えます。

蛇足ですが、原文の発行日は11月8日で、適用(発効)日は2012年11月8日となっています。

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