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ベンチマーク  110413

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2011年4月13日 16:15

ベンチマーク(マーキング)

9004規格改定について110225で触れましたが、その8.3.5項に「ベンチマーキング」があります。ベンチマーキングという用語の定義はありませんが、「パフォーマンス改善を目的とする、測定・分析手法である」と説明しています。また、「組織内外のベストプラクティスを模索するために利用できる」とも述べています。

辞書を当たると、「比較のために用いる指標」「物事のシステムやあり方についての規範としての基準、水準」などと書いてあります。もともとは測量する(例:山の高さを平均海水面から測る)際の水準点のことですから、絶対的な権威(正しさ)をもっているものです。現在の用法としてはそこまで厳密なものではなく、自分たちの立場がどのあたりにあるのかを見極めるための尺度であったり、これから到達しようとする目標として設定するもの、と概念を変えてきています。証券業界では「投資信託の運用成果を検証する際の評価基準」という意味で使うなど、業界ごとの使い方もあるようです。

9004規格ではベンチマーキングを3つに区分して考えることを推奨しています。
① 組織内活動
② 競合他社との競争的なもの
③ 他業種組織と比較するもの
なんのためのベンチマーキングなのか(目的/適用範囲)、ベンチマークのパートナーとして何を選定するか(①~③に対応)、比較する特性・項目として何を選定するか、どのようにデータを収集するか等を確定するが、ベンチマーキングの計画に相当します。この計画のよしあしが、パフォーマンス改善の良否につながります。計画に基づいてデータの収集分析⇒ギャップ特定⇒改善計画策定⇒改善活動監視⇒パフォーマンス改善とPDCA的に進んでいきます。

9004規格の特徴は、上記の一連の活動をするだけでなく、「蓄積された経験を組織の知識基盤や学習プログラムに取り込む」ことを推奨していることです。パフォーマンスが改善できたら終了、ではなく、その結果を知識基盤"organization's knowledge base"とすることで、より強固なシステムあるいは体質にしようとしています。
注目する/改善したいパフォーマンスは1項目と限りませんから、学習プログラムに取り込んだ場合には連鎖的にベンチマーキングの活動が実施されることになります。これが、持続的成功には不可欠だと考えているわけです。
もう一つの特徴は「ベストプラクティスを模索」という言葉です。GMP(Good Manufacturing Practice)、GLP(Good Laboratory Practice)、GAP(Good Agricultural Practice)など、G□Pという用語は多数あり、優良□規範などの日本語をあてはめています。
しかし、Goodを「優良」と置き換えるのは実は間違いなのです。Goodは優/良/可/不可の中の「可」でしかありません。目指すべきなのはBest Practiceです。「優」または「秀」を模索するのです。

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