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高校生と品質管理教育  110324

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2011年3月24日 13:52

高校生と品質管理教育

「青森県立弘前工業高校1年生全員が品質管理教育を受講」という記事が、日本規格協会のHPに載りました(2月21日付け)。
当たり前のような気もしますが、実は画期的なことなのです。旋盤の使い方であるとか、図面であるとか、工業製品を実現するために必要な技能・知識はこれまでも沢山詰め込んできたのでしょうが、管理とか、製品の質ということについて、系統だてて教育する余裕(カリキュラム)がなかったのでしょう。
高校生にしてみれば負担増だと思いますが、まだ頭が軟らかい時に品質管理を勉強するのはよいことだと思います。統計に関しては中学生から概念を植え付けようという動きが始まっています。ゆとり教育だなんだといって、国の教育方針は揺れ続けていますが、事実をどのように収集し、それをどのように解釈/判断して次の活動につなげるかという流れを早い時期に体得することは、理系文系という枠を超えて重要なことだと思います。

品質管理の手法は、業種・業務の種類によらず共通のものですから、業務の標準化以前の、共通言語になってもよいものです。社会全体として品質管理手法が共通言語になった場合、人材の流動化があっても新たな勤務先での教育の手間が一部省けて、早期に戦力になる可能性が開けます。
田中が社会人になったとき、会社では「デミング賞」を取得すべく、社内教育に力を入れていました。データでものを言おう、とか、5W1Hで話をしよう、とか、全社員が勉強を始めた時期だったので、この部分に関しては先輩と対等に知識を増やしていったので、対等に話ができてラッキーでした。(当時、デミング賞は、全社レベルで品質管理を実践しているお墨付きとして最高位のものでした)

弘前工業高校の話に戻しますと、1年生全員がQC検定4級合格を目指すという短期的な目標をもち、さらに上級合格も、との説明になっていますが、合格という結果だけでなく、合格を目指してどのように努力したのか、空論としての計算だけでなく、身近な事象をデータ化し、解析し、次の改善/定着活動につなげることができるとよいと思います。
「力量」の定義は「実証された個人的特質、並びに、知識及び技能を適用するための実証された能力」です。検定に合格していることは、関連する知識を持っていることを証明し、試験問題を正しく解く能力を実証してくれますが、暗記した知識だけでなく、身近な事象にどう取り組むかは合格後の精進にかかっています。

第一歩を踏み出した、弘前工業高校1年生にエールを送ります。また、今回の大震災の影響ができる限り小さく、可能な限り早期に復興して、授業に専念できることを祈ります。

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