Home > 不適合の管理と是正処置  101124

不適合の管理と是正処置  101124

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2010年11月24日 15:54

不適合の管理と是正処置

以前書いたように思いますが、14001規格では「4.5.3 不適合並びに是正処置及び予防処置」で三つのことを、境界を設けずに一連の流れの中で行おうとしています。一方、9001規格は三つのことを明確に区別して、独立して考えることを勧めています(8.3項、8.5.2項、8.5.3項と別立て。9000規格での用語の定義も明確)。

最近、あるきっかけから、17021規格をじっくりと読みました。田中は審査業務も認証業務もしていませんから、これまでじっくり読む機会がなかったのです。
17021規格(適合性評価-マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項)では、認証機関に対して、9001に基づくマネジメントシステムまたはそれに近いマネジメントシステムを構築することを要求しています。後者の10.3.7項は「是正処置」というものですが、手順として7項目挙げています。
a) 不適合の特定(例えば、苦情及び内部監査における)
b) 不適合の原因の特定
c) 不適合の修正
d) 不適合が再発しないことを確実にする処置の必要性についての評価
e) 必要とされた処置の決定及び適時の実施
f) とられた処置の結果の記録
g) 是正処置の有効性のレビュー

いかがですか?9001規格にはない、「不適合の修正」が追加されています。マネジメントシステムを主題としたISO規格は、マネジメントの対象が違っても互いに参照しあったり、手法として同じ方向に向かおうとしています。これまで田中は9001/TS14969/9100/13485/14001については注目していましたが、17021は管轄外と考えていました。17021規格は2006年発行で、それまでのISO Guide 62(JIS Z 9362)に置き換わる形で登場しました。9001の2000年版発行を受けて、マネジメントシステムの概念を認証機関に適用したものです。9001規格の2008年版は未発行でした。
認証機関が9001に基づくマネジメントシステムを適用する場合には、「10.3.7項の是正処置」は該当しないのですが、「9001に近いマネジメントシステム」では、不適合管理を要求していません。だから、是正処置を実施する場合に「不適合の除去(修正、解消)」を要求しているのでしょう。ただ、「是正処置としての活動の一環として不適合の修正を行う」ことを明確にした点で、田中にとっては新鮮でしたし、14001規格における「三つのことを一連の流れ」として処理するのと類似の考え方だと感じました。

田中が想定している品質/環境の統合マネジメントシステムは9001をベースにしたものですが、17021を勉強した結果、多少修正をかけよう(方向を5~10度ほど変えよう)かな、と考える今日この頃です。

Comments:0

Comment Form

Trackbacks:0

TrackBack URL for this entry
http://www.rascentgroup.com/mtos/mt-tb.cgi/128
Listed below are links to weblogs that reference
不適合の管理と是正処置  101124 from Consultant's Eye QMS

Home > 不適合の管理と是正処置  101124

Search
Links
Feeds

Return to page top