- 2010年8月12日 13:06
統合マネジメントシステム
20090428でQMSとEMSの両立性について見解を述べました。2ヶ月ほど前に、QMS/EMS統合マネジメントシステムの審査に立ち会う機会をいただき、それ以後、これまで以上に両立性に注目してきました。
今年の6月にボゴタでTC176(QMS)総会が、7月にレオンでTC207(EMS)総会が開かれ、それぞれの状況について日本規格協会内にある国内委員会から報告されました。
TC176では9004規格についても審議しますが、100513で書いたように9004に関しては昨年改正されたので、次の改正作業の話にはなっていません。今回9001と9004が別々の概念の規格になってしまったことをどう総括するのか、TC176の製品である9001・9004両規格をどのように普及させ、将来どういう形にするのがよいか、という議論をしているようです。
9001規格は2008年の追補改正から1年半以上経過しているので、次の改正時期をにらみながら議論が進んでいます。改正時期は最短で2015年、とされています。
EMSでは多数の規格があり、TC(Technical Committee)207の中にはたくさんのSC(Sub Committee)がありますが、14001:2004規格は2008年に「確認」が済んでいるので、こちらも大急ぎで審議を進める状況ではありません。
結果としてですが、どちらの報告にも、QMSとEMSの統合を目指すという言葉が登場していません。田中の情報入手能力が低下しているのか、田中がマネジメントシステムの統合に興味を持った頃には、ISOの世界では「もう、やーめた」になってしまったのでしょうか。
そのわりに、多くのマネジメントシステム規格で、他の規格と組み合わせて使える、とうたっています。
9001:組織が品質マネジメントシステムを、関連するマネジメントシステム要求事項に合わせたり、統合したりできるようにしている。(14001、OHSAS、財務、リスクを想定)
14001:組織がこの規格の要求事項に適合した環境マネジメントシステムを構築するに当たって、既存のマネジメントシステムの要素を適応させることも可能である。(9001、OHSAS、財務、リスクを想定)
27001:この規格は、組織が自らのISMSを関係する他のマネジメントシステムの要求事項に調和させること又は統合することが可能なように設計されている。(9001、14001を想定)
18001(OHSAS):組織がこのOHSAS規格の要求事項に適合したOH&Sマネジメントシステムを構築するに当たって、既存のマネジメントシステムの要素を適応させることも可能である。(9001、14001、Security、財務を想定)
25999(BCM):この規格の導入及び運用において、関係するマネジメントシステムとの一貫性及び統合を支援している。(9001、14001、27001を想定)
とりあえず田中は、仮想のQMS/EMS統合マネジメントシステムのシステム文書を検討中です。当初はQMSをベースにEMSの要素を付け加えるつもりでしたが、 EMS をベースにQMSの要素を付け加えるほうが作りやすいかな?と思い始めています。下位文書の数をできるだけ絞ったものにする予定です。
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