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お客様との対話  100723

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2010年7月23日 16:21

お客様との対話

科学博物館での教育ボランティアも1年以上たちました。
だいぶ様子がわかってきましたが、「科学」の範囲はとてつもなく広大で、高校大学で習ったこと、社会人になってから関与した部分はそのppmにも満たないppb(parts per billion)のレベルなのです。これから科学に興味を持つかどうかという年齢の人たちを対象として、わかりやすい説明を、気負わずにしましょう、というのが仕事の中身なのですが、なかなかうまくいきません。

ボランティアは組織(博物館)の一員ではありませんが、来館者からすれば組織側の人間ですから、お客様はいろいろな質問をされます。お客様がおとなの場合もあります。適切に答えられれば満足されるでしょうが、そうでなかった場合にどういうことになるのかが見えません。相手の方が、その分野のプロの場合でも外見で判断できないからです。しばらくやりとりをしてから、実はこれこれと言われて冷や汗をかくこともあります。5年10年やってきている方でも状況は同じようなものらしいのです。ボランティア控え室での昼食は、反省会だったりボヤキあう場だったりするのです。

先日はお客様とこんなやりとりをしました。
「時を知る」というテーマの展示があり、江戸時代に使われた日時計(旅行する時に携帯したものだということです)を見た方が、「こういうものを松尾芭蕉も奥の細道を歩くときに持っていたんでしょうかねえ?」と聞かれました。「奥の細道」にそのような記述があるか知りません。かといって、否定する根拠もありません。瞬間的に考えた田中の返事は「さあどうでしょう。芭蕉さんは持っていなかったかもしれませんが、同行した河合曽良さんは持っていたかもしれません」でしたが、お客様は納得してくださいました。

「守・破・離 100430」のときに、情報提供者と位置付けて仕事をしていると書きましたが、ボランティア活動も全く変わりません。小さな子供が相手のときには「教えてあげる」雰囲気になってしまいますが。

余談ですが、科博の教育ボランティアは皆さんまじめです。先日、展示品の維持管理のための館内燻蒸があって活動できない期間を利用して研修親睦旅行がありました。水族館の見学時には、普通では見ることができないバックヤードのツアーも盛り込まれていましたし、研究員の方が直接対応し館内を案内くださった施設もありました。田中としては、新たな知識を沢山吸収することができました。

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