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内部監査の是正処置  20090413  田中昇次のブログ

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2009年4月13日 11:02

内部監査の是正処置

内部監査はむずかしいです。ふだんは協力関係にある人たちが、監査のときだけは敵味方のようなイメージで向かい合います。監査側はアラ探しをするつもりはないのですが、被監査側はそうは受け止めません。こんな状況を(規格は)想定していないのですが、お互いに構えてしまうのです。

今日のテーマはその話ではありません。是正処置の話です。練習問題を用意しました。
教育訓練というプロセスを監査しています。

監査員:「この部門の、教育訓練計画を見せてください。」 ⇒ 被監査側:「これです。2009年1月から6月までの上期の計画書です。」
監査員:「なるほど。3月に入社3年目の社員を対象にリフレッシュ研修をするとありますね。今日は4月20日ですから、実施記録を見せてください。」 ⇒ 被監査側:「すみません。この計画書に、担当がA君と書いてありますね。毎年、このリフレッシュ研修は入社5年目の社員がすることになっているのです。ところが、A君は2月末に退職してしまいました。なんでも家業を手伝うことになったということでした。入社5年目というのは、立派な戦力ですから、まいりましたよ。」

監査員:「そうですか。それは大変ですね。しかし、今日は内部監査の日ですから、愚痴を聞くのは別の日にしましょう。わが社の教育訓練手順書には、年度初めに上半期の教育訓練計画を部門ごとに策定し、部門長の承認後、計画に従って実施する。」とあります。計画書の存在と部門長の承認は確認できましたが、期日を過ぎているのに、実施の確認ができませんでした。6.2.2e)項の要求事項を満たしていないので、不適合とします。是正処置をお願いいたします。」 ⇒ 被監査側:「e)項は、教育訓練について該当する記録を残せ、という要求ですよね。実施していないのだから、記録がないのは当たり前でしょ。」

監査員:「(内心むかついていますが)では、6.2.2b)項での指摘としましょう。該当する場合には教育訓練をしなければいけない、という要求事項です。入社3年目のリフレッシュ研修は《該当する場合》でしょうから。」 ⇒ 被監査側:「わかりました。でも、是正処置というのは、不適合の原因を除去するんですよね。A君が退職したことが原因だから、退職を取り消すのが是正処置か。ISOっていうのは出来ないことを要求する規格だなあ......・。」

さて、どう考えますか?

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