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田中 昇次のブログ090312 

  • Posted by: 田中 昇次
  • 2009年3月12日 12:12

applicable / appropriate

JIS Q 9001規格の2008年版解説の5.1項のa)です。長いですが、JISの解説(13頁)を引用します。読みやすくする目的で、段落を勝手につけています。

applicable:該当する、適用される、適用できる、適用可能な、
appropriate:適切な、必要な場合は、該当する、応じた
ISO9001で、"applicable"及び"appropriate"は、単独若しくは"as"又は"where"と組み合わせて使用されている。今回のJIS Q 9001の改正作業において、JIS Q 9001:2000の表現を見直し、文意に沿ったより適切な表現に変更した。
特に、組織の都合又は組織の主観的な判断で、事案対象を"できる"又は"できない"と決定してよいと受け取られることを懸念し、主観的な判断を排除する表現に変更した。
例えば、"as applicable"及び"where applicable"は、原則"該当する場合"と訳した。これは、コストなどの資源的要素を考慮したうえで、組織の都合にかかわらず、一般的事実として実施できることが自明な場合には必ず実施することが求められている。また、特に、対象となる項目に特化している場合には、"適用可能な"と訳した。
また、"as appropriate"は、JIS Q 9001:2000では一貫して"適宜"としてきたが、"便宜に従うこと"、"随意"、"実施者の裁量で"などのように、組織の都合又は組織の主観的判断でよいという誤解を避けるため、JIS Q 9001:2008では"適切な"と変更した。

「組織の都合又は組織の主観的判断でよい」という誤解を避けるため、とありますが、田中は8年間誤解していました。その理由は、JIS Q 9001:2000の表現が「組織の都合又は組織の主観的判断でよい」と読めたからです。田中の誤解に基づいて関連する下位文書を作成されたクライアントにはお詫びしなければなりません。
このレベルの話になると、規格解釈というよりも英文和訳の世界です。

"where appropriate" という用語は、7.4.2項に登場します。Purchasing information shall describe the product to be purchased, including where appropriate, このあと、a)・・・b)・・・c)・・・と続きます。この文章は、9001でも全く同一です。2000/2008年版で英文は変更されていません。
一方、"as appropriate" という用語は、7.1項に登場します。In planning product realization, the organization shall determine the following, as appropriate: このあと、a)・・・b)・・・c)・・・d)・・・と続きます。この文章は、9001でも全く同一です。2000/2008年版で英文は変更されていません。
「"appropriate"は、単独若しくは"as"又は"where"と組み合わせて使用されている」、と出だしで説明しています。
7.1項の"as appropriate"は2000年版では「該当するものを」⇒2008年版では「適切に」と訳し、7.4.2項の"where appropriate"は2000年版では「必要な場合には、該当するものを」⇒2008年版では「該当するものを」の訳語を当てています。"as appropriate"と"where appropriate"に対しては同じ取扱いをすべきなのではないか、というのが素朴な疑問です。

ではまた。

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