- 2010年2月28日 21:33
- 品質
先週末に仕事で、横浜の馬車道に行ってきました。そこには何と横浜で一番早く咲くと云われている桜が可憐に咲いていました。港町として歴史のある郵船ビル前の通りに、2本ひっそりと佇む姿に、思わず携帯電話に収めてしまいました。
今月10日付けで日刊紙に小糸工業の航空機の椅子に関する偽装問題が報道された。航空機の椅子の材料強度、シートの耐火性に関して国交省から承認を得たものと別の素材を使用して納入を続けたという問題である。その偽装期間も殆ど当初からということで10数年及ぶというものであった。
偽装が明らかになった発端は内部告発によるものであり、公益通報者制度が機能したという点は評価できるものの、何故これほどの長きに亘って偽装が続けられたのか組織風土を疑がわざる得ない。
航空機という閉鎖された空間の中で、座席の強度や、耐火性が問われる局面はまさに緊急事態下であり、発生の確率は極めて少ないとはいえ、その事態が生じたときに安全が確保されない可能性が高いということである。
別の視点から捉えた場合、数年前に大きな社会問題にまで発展した食品の賞味期限の偽装や、建物の構造計算偽装よりは、はるかに生命の危機に直結する偽装ではないかと筆者は思う。その割には、今回の偽装問題は、一回紙面に報道されただけで、その後忘れ去られたようになっているこの状況は、何故か報道が偏っているものと思えてならない。
現在、同社のISOの品質システムの第三者認証はこの問題を契機として認証機関から一時停止処分を受けている。また認定機関である日本適合性認定協会もこの事実をいち早く公表し、その後の是正を注視するとしている点は評価できる。
余談部分であるが、品質に関する規格はISO9001が一般に馴染みのあるものであるが、航空機に関しては最近AS9100、国内においてはJISQ9100が発行され、今後これらの規格への移行が進むことにより、今回のような偽装が無くなることを期待したい。
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