鳩山首相が初外交として、今日からアメリカに旅立った。
欧米首脳との会合、国連での演説、温暖ガス削減会議等訪米中は行事が目白押しである。
その中でも、世界で注目されているのは今般民主党が掲げた温暖ガス1990年比で25%削減政策である。既に1990年比では8%増となっており、増加分を考慮すると1990年比で33%削減という、途方もないチャレンジである。
欧州全域では20%から30%とほぼ日本と同じような削減幅を目標にあげているが、東欧を始め殆ど温暖化対策を採ってきていない国々を含めての話であり、日本の場合には既に高度経済以降大幅な省エネや、排出ガス削減を実施してきており、現状から後約10年で33%削減を達成するとなると、国を挙げての総力戦となるのではなかろうか。
一方で、前回のブログでも書いたように省エネ技術や、化石燃料からの転換技術、輸送手段としての鉄道技術など、日本が世界をリードできる民間技術は豊富にあるものの、残念ながら国際規格化の戦略に欠けているため、世界標準に乗り遅れている。
つい、最近でもある国の高速鉄道の国際入札に参加した国内の車両メーカがISOの鉄道規格に準拠していないことから、入札にあたって、応札資料を作成するにあたり、国際規格が求める基準に合致させるために、膨大な追加実験と資料作りに翻弄されたと云われていた。国内基準と国際基準のダブルスタンダード化の弊害であり、今後製品、商品のグローバルマーケットを狙う企業においては、国際基準化が不可避であろう。
日本では環境分野で多くの先端技術を有しており、これらを幅広く世界に普及させるためにも、新たに政権与党となった民主党には、産学官一体となった国際規格化への取り組みを強く望みたいものである。
- Newer: 2009.9.26 環境保全と産業振興
- Older: 2009.09.13 温暖ガス排出目標大幅削減の意味するもの