- 2009年7月21日 17:12
- 品質
今回も6月28日続いてISO9001の運用上の疑問について取り上げてみたいと思っています。
ISO9001を構築し、運用を始めてから数年程経つと多くの組織が感じ始めることの一つに、ISO9001を構築・運用しているものの、なかなかアウトプットが上がって来ないといった素朴な疑問。
ISO9001の規格自体の構造がパフォーマンスを上げるための規格とはなっていないにもかかわらず、ISO9001のシステムを構築し、維持し、審査も受けているのだからパフォーマンスが上がってくるものと誤解されていることに原因があるようです。ISO9001を構築運用しているだけではパフォーマンスが上がらない理由は、ISO9001のマネジメントシステムは自ら設定した品質を維持していくことに主眼があるからです。
そのようなことから、筆者は某お客様の9001の仕組みの中で、マネジメントレビューにBSCを導入してみました。トップが掲げる品質方針をどのように実現していくのか、その要素を財務的視点、顧客の視点、プロセスの視点、人的視点の各々視点からキーとなる項目を見つけ出し、KGI,KPIを設定し、それをブレイクダウンし各部門に展開することで、可視化し日常的に活動をウオッチしていくことのフレームを構築しました。
この会社は、すでにBSCを用いて戦略の実現ツールとして活用していたこともあり、9001の品質方針実現のための手法としては比較的スムーズに導入でき、馴染みも早ったことから、効果も高かったと感じてます。
9001を構築、運用されている多くの会社で、パフォーマンスを上げていくには、9004への切り替えや、他のマネジメントツールとの融合を通して、有効性、効果性を確保していくようチャレンジされれば、経営者の期待に応じられるものと筆者の経験上思います。
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