「6月7日の品質システムを生かして使うには」の個別テーマです。 世界中で普及したISO9001ですが、ここ近年世界的に登録数が伸び悩んでおり、日本においてはここ数年純減しています。
一度、規格や基準が作られると環境が変わっても変更されないといったことは少なくない中で、ISOのマネジメントシステムは、専門の委員が真剣に検討し、環境変化に対応しつつより良いシステムづくりを目指し、原則として5年に一度社会情勢に合わせて、改訂される画期的なシステムであるにも関わらず、登録数が減少している原因は何なのでしょうか。
長年にわたりISOマネジメントシステムの構築に携わってきた者の一人として、残念でたまりません。一方私自身経営者という立場であり、独善的に私見を述べさせてもらうと、現在大方のQMSが経営者の考えているマネジメントシステムのありようと大きくズレてしまっているといったことに原因があるのではと思っています。
そもそも、ISOマネジメントシステムは2000年版で大きく規格概念が変わったにもかかわらず、以前として品質保証に関するシステムといった誤解を持たれておられる経営者が多いのではと思っています。そのためか、QMSの大半の活動を管理責任者に任せきりとなり、形式的なマネジメントレビューに係る程度で審査に臨んでいるような状況に陥ってしまっているのではないでしょうか。こんな状態ではISOの認証を得ていても、経営に活かすといった気持ちには到底なれないでしょう。
経済状況が著しく悪い中で、多くの経営者の方々はどのようして経営を維持し、発展していくか七転八倒されている状況にあるのではないでしょうか。まさに、方針が問われているのです。経営戦略如何によって経営方針も変わります。経営戦略が変われば、また、提供する製品やサービスも変わるはずです。例えば、トヨタや、ホンダ自動車を始め多くの車体メーカーは環境対応車の開発・発売に注力する戦略をとって世界市場での生き残りに社運をかけようしています。そうすると、部品メーカーにおいても、従来のエンジン自動車に必要な部品から、電池やモータ関連への技術シフトを進めて行かなければ生き残れなくなります。
ISOマネジメントシステムはこのような戦略を転換せざる得ない事態においても、経営戦略に基づき品質方針を明確にし、目標を建てさせ、実行させていくようプロセスを設計・運用することによって経営者の意思をシステムに落とし込むことが可能となります。経営戦略実現のための手法としてQMSを活用する。
まずは、経営者の皆さんがマネジメントレビューで報告を受けるといった係りから一歩、あるいは数歩踏みだしてトップダウンでQMSを運用されることを実践してみては如何でしょうか。
このような時代だからこそ、マインドチェンジが必要です。
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2009.6.28 QMSを効果的に経営に活用するにはマインドチェンジ重要
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