- 2011年5月 2日 19:40
日本の製造業はバブル崩壊後、価格競争力を失しない中国や東南アジアに大挙して移転したと一般的に言われてきた。特に、中国の安い労働力を目当てに大企業から中堅・中小企業まで日本はもとより先進各国の企業がこの間進出した。
しかし、今回の東日本大震災で明らかになった事態は、自動車やコンピュータを始めとする電気製品に至る先端分野における素材や部品の製造は、核となる部分が国内に残っており、震災でそれらが崩壊したことから長期に亘って完成品の生産を停止せざる得ない事となり、結果として日本の物作りの強さが際立つこととなった。
日本の物作りは、大企業から中堅・中小企業まで垂直分業制をもって構築されており、このような産業構造は世界的に見ても極めてまれなものである。
これからの震災復興の過程を通して、旧来の状態に戻すということではなく、国際競争をより一層つけられるよう、厳しい品質とコスト削減を実現し、震災をプラスに変えていって欲しいものである。
ここ最近ISO9001品質マネジメントシステムの登録数が減少しているが、むしろ、物づくりの標準として優柔無碍に使い込むことが重要ではないだろうか。
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